暑いですねぇ.この先が思いやられます.私の勤め先は南向きの3階ですので,実によくあったまります.ひょいと温度計を見ると32℃だったりして.ですが,まあそれは,暑い暑いとブゥたれていれば済むことですが,避難所での死亡率が高くなっていると聞きました.避難所くらい特設クーラーで冷房をガンガンかけてもいいような気がしますが,「計画停電」地区に被災地を含めるような(そして,それを報道する“レポーター”が,“原子力発電を止めればこんなことになります”と脅しをかけるような)国では無理なことでしょうか.
さて,ヨーロッパの夏は湿気が少ないので,夏の朝夕はむしろさわやかだと聞いたことがあります.前回の『ロミオとジュリエット』のバルコニーの場面も,暑くるしいというより,生命の息吹あふれるさわやかな夜風が吹いている感じですね.
そういうわけで(?),今回は才市さんはおやすみして,せめて一時,さわやかな初夏の夜と朝と昼を・・・
『ロミオとジュリエット』,バルコニーの場面最後の科白は:
この愛のつぼみは,万物をはぐくむ夏の夜風に吹かれて,次にお会いするときには,美しく花開いているでしょう
この「つぼみ」は,たぶん,薔薇のつぼみですね.そこで,
若い娘が,愛撫してくれる恋人に微笑むように,薔薇は朝の風に向かって,萼《うてな》を半ば開いた
(サーディ)
最後はこの情景.行き掛かり上,夏の昼下がりということにしておきます.
・・・池の中には車輪のように大きな蓮の花があって、青い花は青い光を、黄色い花は黄色い光を、赤い花は赤い光を、白い花は白い光を放ち、いずれも美しく、その香りは気高く清らかである。・・・色とりどりの美しい鳥が・・・優雅な声で鳴き・・・宝の並木や宝の網飾りがそよ風に揺れ、美しい音楽が流れて・・・
(『阿弥陀経』)
すこしは,さわやかな夏という気分になれましたでしょうか(^^).
【補足】
『ロミオとジュリエット』:記憶による引用.誰の訳かわかりませんし,違っているかもしれません.
サーディ:私のメモから.やっぱり正確さは保証しかねます.訳者など不明.
『阿弥陀経』:『仏説 阿弥陀経 現代語訳』(本願寺)からかなり自由に抜粋しました.
因みに仏典に登場する“蓮華”については,水草などがご専門の方がお書きになっているこんなページがありました(水槽趣味のかかわりで出会ったサイトです.先に紹介した“パドマ展”の「パドマ」とは赤いハスのことであることもこの頁にちゃんと書いてあるのですが,きれいに忘れていました).この頁にある青い睡蓮(「ステラータ(おそらく)」)の写真は,眺めているとしばし暑さを忘れます.