先日の記事のコメントにエオンなんて書いたことから思いがギリシアに飛びましたので,今回は才市さんはお休みしてギリシアの思い出を少し・・・と言っても,私はギリシアに行ったことはありません.でも,高校から大学の頃にかけて,思いだけは,しばしば古代ギリシアに遊んでいました.その頃読んだもの,ただし,ギリシア人の書いたものではなく,ギリシアを題材にしたものを二つほど.
一つ目は,高校の教科書に載っていた詩です.伊藤信吉『現代詩の鑑賞』から取られた文章の中にありました.
(覆《くつがえ》された宝石)のような朝
何人《なんびと》か戸口にて誰かとささやく
それは神の誕生の日
(西脇順三郎「天気」)
西脇順三郎という名が難解な現代詩の代表みたいに言われることがあるのを知ったのはあとのこと.当時は,伊藤信吉の解説に助けられながら,ただ,朝露の輝く光の世界に感動していました.
次は,ある小説で主人公がパルナッソス山に登ったときの光景です.
山頂のむこう側では巨大な裂け目がおよそ二千フィートほどの深さの影を生み出していた.西に傾いた太陽はまだ地平線上にあったが,雲はすでに消えていた.空は全く埃を含まぬ,全く純粋な淡青色だった.近くには遠景をさえぎる山は一つもなかった.私たちは計り知れぬほど高い場所に立っているように思われた.土地と物質が天頂の一点を指して屹立している場所.・・・だれかがすばらしい古典的な単純さをもって,ケルンのすぐそばに小石で三つの文字ΦωΣ --- 光 --- をかたちづくってあった.
(ファウルズ,小笠原 豊樹 訳『魔術師』)
ずっと後になって,青い海と白い大理石のギリシア,輪郭のくっきりした明るく理性的なギリシアとは,古代ギリシアの一面に過ぎないことを知りました.それでもなお,古代ギリシアは,イデアの王国のように輝いて見えます.
【補足】
西脇順三郎:今回は,元の伊藤氏の本から孫引きしました.伊藤信吉『現代詩の鑑賞(下)』(新潮文庫,1974),p.381.なお,詩句についている( )は元の詩にあるものです.
ファウルズ:ジョン・ファウルズ,小笠原 豊樹 訳『魔術師 上』(河出,1979), p.259.「・・・」の部分を引用に際して10行ほど省略.因みに,小笠原豊樹氏は,私の愛読するある詩人/作家の別名だそうです.
こんばんは
今回の記事、コメント不能です。そもそも詩を理解する能力は皆無の上に
ギリシャは特にムツカシイです。
一つヒットしたのは 宝石のような朝 の部分
確かに私たちは毎日、宝石のような得がたい朝を迎えているのに
ありがたいナ~ と思わずにいますね。
今で言うと「ア~ァ 今日もクソ暑そうだな、チクショ~」です。
連れ合い殿も糖尿病で視力を落とし、失明寸前になりましたが、寝ぼけ眼で毎日起きてきます。「今日も見えてる??よかったな~」と声を掛けても キョトンという顔をしてみえます。
そうだ、ひとつ頭に浮かんだ文字は 朝鮮 、お隣の国ですね。上に北をつけると にっくき国ですが、読んで字のごとく 朝のさわやかな国だから
この名がついたとどこかで読んだような気がします。韓国の国花といわれる槿(むくげ)が咲き乱れるようになりました。しばらく百日紅(さるすべり)の花と一緒にたのしめそうですね。
コメント不能と言いつつ、書き過ぎでした。
名前を書き忘れていました。ほぼ同じ文のコメント二つは
釈破旬 でした。
釈破旬さま,コメント不能の記事にしっかりコメントをいただき,有り難うございます.あ,もちろん,量ではなくて内容ですよ!
朝鮮というと,もろもろのことが押し寄せてきて,名前そのものを考えたことがなかったのですが,たしかに綺麗な名前ですね.
今,私の通勤路では,ネムの花があちこちに見られます.花の色合いが微妙に違うものがあって,咲いてからの時間の違いか,そもそも株ごとに色が違うのか・・・.
ご門徒さんから,毎朝,目が覚めたときの思いを聞かせていただいたことがあります.これは,また,記事に書こうかと思っています.奥様,お大事になさってください.
が,しかし,暑いですね! 悪態をつく元気もでないほど,暑い・・・.
こんばんは
今回の記事、コメント不能です。そもそも詩を理解する能力は皆無の上に
ギリシャは特にムツカシイです。
一つヒットしたのは 宝石のような朝 の部分
確かに私たちは毎日、宝石のような得がたい朝を迎えているのに
ありがたいナ~ と思わずにいますね。
今で言うと「ア~ァ 今日もクソ暑そうだな、チクショ~」です。
連れ合い殿も糖尿病で視力を落とし、失明寸前になりましたが、寝ぼけ眼で毎日起きてきます。「今日も見えてる??よかったな~」と声を掛けても キョトンという顔をしてみえます。
そうだ、ひとつ頭に浮かんだ文字は 朝鮮 、お隣の国ですね。上に北をつけると にっくき国ですが、読んで字のごとく 朝のさわやかな国だから
この名がついたとどこかで読んだような気がします。勧告の国花といわれる槿(むくげ)が咲き乱れるようになりました。しばらく百日紅(さるすべり)の花と一緒にたのしめそうですね。
コメント不能と言いつつ、書き過ぎでした。