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憲法記念日床屋談義
旧ブログ 2010年5月 3日 (月)

 高校の世界史で,初めの方に「十二表法」というのがありました.昔のローマでは(っていつのローマだ^-^;)貴族と民衆が対立していて,この十二表法制定は民衆の地位が向上したことを示しているという話でした.
 え,どして? 支配が強まったんじゃないの? 刑罰について書いてあるし・・・.
 いや,そうじゃない.たとえば,ちょっと交通違反をしたとき,お巡りさんが鉄砲をちらつかせて,‘いい車乗ってるね,この車は罰金として没収,オレがもらう,逆らうならこの場で銃殺’という無茶はできないってことだ・・・.そんな説明があったように思います(こんな変な喩じゃなかったと思うけど).でも,もう一つピンと来ませんでした.当時の私にとって,規則とはまず校則であり,ことこまかな校則をなくして自由にさせろって感じでしたから.
 しかし,世界史の勉強がだんだん進み,マグナ・カルタとか,フランス革命における憲法制定などの話を聞く頃には,納得できるようになりました.力を持つ人に,条文内で,と制約をつけたのがこれらの憲法でした.

 民主主義では,主権者が主権の行使をある人々に委ねるという形をとりますが,その際,その条件を定めたものが憲法です.喩えて言えば,あんたにこの金を預けるから,これこれをやってくれ,だけどこういうことに使ってもらっては困る・・・というのが憲法です(という理解でいいですよね?).やはり,力の行使を制約しているわけです.
 憲法は誰かが誰かに押し付けるものだ,という言葉を聞いたことがあります.民衆が貴族に押し付けたのが十二表法,貴族が国王に押し付けたのがマグナ・カルタ,主権者が代理人に押し付けたのが民主主義政体の憲法・・・.そう考えれば,‘押し付け憲法’という言葉は,憲法がまさに憲法であることを証明しているだけです.
 問題は,押し付けた側に立つか,押し付けられた側に立つかということでしょう.戦前から力を持っていた人々が,押し付けられたって言うのはよくわかります.条件がきつくなりましたから.でも,そうでない人が押し付けられたって騒ぐのは・・・たぶん,何か深謀遠慮か勘違いがあるのでしょう.

 好き勝手なことを述べました.実は,憲法や法律などについては何も知りません.憲法制定時のいろいろな動きを読んでみたいと思いながらそのままになっています.自主憲法草案やそれに対する政府,占領軍の対応など,興味深い話がいろいろあるみたいですが・・・.妄言多謝.

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