ありがたい
祖師のご恩と
弥陀の恩
恩と恩とで
なむあみだぶつ
(鈴木, 12:070)
今月の12, 13日に,例年通り報恩講をお勤めしました.そのご案内と,当日お配りした寺報に掲げたのがこの口あいです.今年の報恩講は少し変則的な形で勤めさせていただきましたので,そのご報告もかねて,この口あいに関する寺報の記事を以下に転載します.
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最近は、病院にいってもその場では薬をもらえず、代わりに処方箋をもらって薬局に行くことが増えました。その処方箋の内容は一人一人違います。病気によって薬も違ってくるから当然ですね。
お釈迦様も、相手に応じて法を説かれました。そして、お釈迦様が去られた後には、たくさんの処方箋(お経)が残されました。そこで、このたくさんのお経のなかから、私にあった処方箋・薬を捜し出さなければならなくなりました。それをしてくださったのが、先師の方々、とりわけ親鸞聖人でした。
そうして選び出された処方箋が浄土三部経です。そして、そこに書かれているお薬の名前は阿弥陀様でした。
だから、私たちが救われるのは、阿弥陀様のご恩のお蔭ですが、そのご恩にあずかることができるのは、親鸞聖人のお蔭です。そこで、祖師親鸞聖人のご恩と阿弥陀様のご恩を共に喜ぶ、それがこの口あいです。
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さて、その親鸞聖人がご往生になって、七百五十五年になります。ご本山では、先に百五十回大遠忌法要が務まりました。当山でも、続けてお勤めすべきでしたが、住職の病気などでお勤めできないまま今日に至りました。
しかし、このままにしておくのは心残りです。そこで、本年の報恩講では、七百五十回忌法要のために定められた形でお勤めをして、気持ちだけでも七百五十回忌を勤めさせていただくことしました。併せて、裏山の崖補修工事と駐車場整備の記念とし、お世話頂いたご苦労を記憶にとどめたいと思います。
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変則的な形で報恩講を勤めるにあたっては,門信徒の皆さまと,とりわけ,近隣の寺院の方々のご協力がありました.ありがとうございました.
【補足】
鈴木, 12:070: 鈴木大拙編著『妙好人浅原才市集』, ノート12の70番(p.158).用字,改行などを読みやすく改めました.