龍大パドマの「生死を超える物語 仏教死生観デジタルアーカイブ研究閲覧システム」には,富山県高岡市の善興寺にあるこの二河白道図も収められています.先日の開会式では,善興寺の若院さまがこの図について説明をしてくださいました.
この絵が描かれるに至った経緯をお話くださったあと,この絵の特徴について,善知鳥が描かれていること,白道を行く人が菅笠を背にしていることなどを指摘されたのですが,特に興味深く聞かせていただいたのは,白い道が描かれていないということでした.普通は,欲望の水の河と怒りの火の河との間に細い白い道が描かれているのですが(だから“白道”図),確かにこの図では,水の河と火の河が接していて,その境目を白衣を着た旅人が歩を進めているように描かれています.
これについて,(ちょど,泥の中から蓮の花が咲くように)煩悩の最中を歩みながらも,間違いなく御念仏が働いている姿が白く表わされている,そう味わえるのではないかという意味のご説明があったように記憶します(正確なところは覚えていないのですが).
そうだとすれば,この図と並べて展示していただいた才市さんの角のある肖像と通じるところがありますね.というのも,この肖像は,煩悩を抱えながらも(角),間違いなく阿弥陀さまにおさめ摂られている(合掌)という絵ですから(ちょっと強引か?).
最後の一文を少し修正 2011.06.17 00:31