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Every cloud has a silver lining.
旧ブログ 2011年2月23日 (水)

すべての雲の裏は銀色に光っている
(どんなに悪いことにも何かよいところがある)

 学生の頃でしたか,辞書を引いていてたまたま見つけた英語の諺です.直訳すれば,「「すべての雲には銀色の裏打ちがある」とでもなりましょうか.
 この言葉を知ってからずいぶん経って,実際に銀色に輝く雲の裏打ちを見る機会がありました.私にとって初めての(そして最後の?)海外旅行のときです.いわゆる“機内泊”で目が覚めたとき,飛行機の窓におろしたシェードの隙間が光っていました.少し開けて外を見ると,見渡す限り一点の切れ目もない雲海.夜明けか日暮れか,あるいは緯度が高いせいか,太陽はかなり低い位置にあって,斜めから光を受けた雲の表面がまばゆく輝き,一面に光り輝く世界が広がっていました.しばらく見とれていましたが,そのうち,厚い雲がこれだけ広がっていれば,地上はずいぶん暗いのだろうなと思い至りました.

われまたかの摂取のなかにあれども,煩悩,眼を障へて見たてまつらずといへども,大悲,倦きことなくしてつねにわれを照らしたまふといへり
(「正信偈」)

 正信偈のこの一句を読むたびにあの雲海を思い出します.この句より前に,「貪愛・瞋憎の雲霧,つねに真実信心の天に覆へり」という言葉があるせいでしょうか,「眼を障へて」で雲に覆われて太陽が見えない様子が思い浮かびます.地上から見ている限りは暗く重苦しい世界.でも,外に出てみれば,光の世界が広がっていて,暗雲も太陽に照らされて銀色に輝いている.それに気づいたとき,暗く重苦しい地上の世界も,また違って見えるのではないでしょうか.

【補足】
摂取心光常照護 已能雖破無明闇
貪愛瞋憎之雲霧 常覆真実信心天
・・・
極重悪人唯称仏 我亦在彼摂取中
煩悩障眼雖不見 大悲無倦常照我
(「正信偈」)

コメント

こんにちは いろいろありましてパソコンから遠ざかっております。
加えて使用中のpcがダウンして使用不能に陥り、タイミング良く
長野に住んでいた長女が帰郷し、こちらで働くことになり、一緒に
ほぼ新品のPCが到来しましたが、いまいち使い勝手が違い使いこなせません。しばらくこの状態が続きそうです。
さて、銀色の雲を見られたとか・・ その話を読んで大峯顕師がある本に
米国から飛行機で帰る途中下をみたら、海流の流れる様が見え、往還二相を実感したとかかれていましたことを思い出しました。いる場所が変わったり、視点が違うことで思わぬ発見をすることがありますね。
私も若いときに5年間外国航路の船員をしていましたので、観光では行かないようなところを訪れたことがあります。インドに塩を積に寄港したときに
現地のインド人の方のお宅におじゃまして、カ-ストがいまだに存在していることを知りました。
引用の正信偈部分は 門徒さんの多くがが大好きな部分ですね。私も大好きです。ではまた・・・

こんばんは.
 お嬢さんがお帰りになり,いろいろお忙しい(?)ことと思います.
 船員として海外を回られると,観光旅行では見えないところが見えるのでしょうね.そちらの方が,人々の生活に近いような気がします.去年の夏,龍大で聴講したとき,現在も残るカーストの実態について聞かせていただいたのですが,まぁ,想像を超えるもののようですね.
 大峯顕師については,『君自身に還れ』という池田晶子氏との対談を読んだことがあるだけです.次回はこれについて・・・(と言っても,この対談集は,私には少々荷が重い).

追記:名前を入れ忘れていたのでいれました.

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