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“信が行を妨げ,行が信を妨げる”(法然上人)
旧ブログ 2012年2月27日 (月)

 以前,表題のような言葉をどこかで見たような・・・と書いたことがあったと思いますが,先日,賀古の教信沙弥のことを見ようと思って『一言芳談抄』(岩波文庫)を手に取ったら,紙が3枚挟んであって,その一つがこの言葉を記した頁でした.この本,私のすぐ後ろの本棚にずっと置いてあったのに・・・.チルチル・ミチルの青い鳥(ちょっと違うか?).
 『一言芳談抄』中の記述は次の通りです.

法然上人伝,一念十念にて往生すといへばとて,念仏を疎相《そさう》に申すは信が行をさまたぐるなり.念々不捨者といへばとて,一念十念を不定におもふは行が信を妨ぐるなり.信をば一念に生まると取りて,行をば一形にはげむべし.
(『一言芳談抄』(Iw-B), p.42(二の「安心」の項)

 さらに,この文を見ながら検索を掛けたら,この言葉は法然上人の『御法語』にあり,その出典は『法然上人行状画図(勅修御伝)』であると丁寧に説明してあるページに行き当たりました.

 以上,取り急ぎ,お勉強結果の報告まで.

【補足】
 『一言芳談抄』(岩波文庫):森下二郎校訂『標註 一言芳談抄』(1983).「一言芳談抄二」の「安心」の項の最初にある話です.因みにこの少し前(p.40)に賀古の教信沙弥の話があります.

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