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[才市] 六字の丸薬にまるで飲まれて
旧ブログ 2011年3月 6日 (日)

才市が病気は
なむあみだぶを のみこめばなおるか
いや ひんなら《そうなら》どうすればなおるか
へ 才市が病気は
なむあみだぶさまに
のみこまれるで なおるであります.
さいちゃ 六字のがんやく《丸薬》に
まるでのまれて
六字のなかで おんれいほうしゃ
・・・
(『ご恩うれしや』p.178--179)

 自分の病気は重病で,自分の口に入る程度の薬ではとても治らない,一生涯のみ続けてもまだ足りない,一生涯お念仏を称えて続けても,自分が積んだ功徳を当てにしている限りとても足りない・・・.でも,私の積んだ功徳によって救われるのではなかった,お念仏にそなわる阿弥陀如来の功徳に包まれて救われるのでした.それが,「南無阿弥陀仏さまに飲み込まれるで直る」です.

 釈尊/阿弥陀仏を名医に,仏法を妙薬に喩えることがよくありますが,その比喩を借りながら,さらに,飲むのではない,飲み込まれるのだと他力の働きを喜んだ口あいです.蓮如上人のよく知られたお言葉を思い出しました.

・・・「 わたしの心はまるで籠に水を入れるようなもので,ご法話を聞くお座敷では,ありがたい,尊いと思うのですが,その場を離れると,たちまちもとの心に戻ってしまいます」と申しあげたところ,蓮如上人は,「 その籠を水の中につけなさい.わが身を仏法の水にひたしておけばよいのだ 」と・・・.
(『蓮如上人聞書』, (88), p.63)

【補足】
『蓮如上人聞書』:『蓮如上人御一代記聞書 現代語版』(本願寺出版, 1999).

この口あいの全体は次の通りです.

才市が病気は
なむあみだぶを のみこめばなおるか
いや ひんなら《そうなら》どうすればなおるか
へ 才市が病気は
なむあみだぶさまに
のみこまれるで なおるであります.
さいちゃ 六字のがんやく《丸薬》に
まるでのまれて
六字のなかで おんれいほうしゃ
ほうしゃするのも ふしぎなものよ
ふしぎふしぎで ほうしゃするのよ
ごおんうれしや なむあみだぶつ
(『ご恩うれしや』p.178--179)

コメント

考えてみれば 報謝するこころも
いただきものでしたね。
先日の大峯顕師の「高僧和讃を読む」は
六角会館の出版で、ほかでは買い求められない
と思います。京都に行かれたら六角堂にお参り
されてお帰りに求めてはどうでしょう。
今日はⅣの道綽禅師を少し読んで寝ることに
します。

 ネット書店で検索したら,3巻本があったのですが,結構厚くて高価でしたので,これを10冊はきついなぁ,と思ったのですが,そういうことでしたか.夏には京都に行く予定ですので,寄りたいと思います.そういえば,六角堂は通りすがりに見たことがあるだけでお参りしたことがありません.これがご縁になってお参りできれば“破旬さんに引かれて六角堂参り”というところですね.ありがとうございました.

大峯先生の本は 六角会館で講演されたものの講演録でして
龍樹~源空の全9冊(曇鸞、善導は上下)各500円です。
六角堂をお参りされたら隣にある 池坊会館のエレベ-タ-の
一番北側だったとおもいますが、それに乗られると六角堂の
屋根が眼下にみえます。お試しください。ここは華道の池坊の
総元ですね。仏華の祖は小野妹子(スペルが怪しい)だそうで
磯長の小野妹子廟には池坊の石碑がありましたヨ。
参考まで・・・・

詳しく教えてくださり,ありがとうございました.こうなれば,お参りしないわけにはいきませんね(^-^).

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