安楽寺和上さんの扇子の字のかたどり
わたしゃ迷いの黒烏
夕日まで[夕方まで]照らされて
なむあみだぶの餌食(えばみ)貰うて
朝までとまる法の松木に
わたしゃよいもの頂戴したよ
烏が転じて白鷺になる
ご縁をもらいましたよ
これは愉快な楽しみであります
(才市さん, 鈴木 2:007)
恒例,仏教婦人会による給食サーヴィス.年に2回,町内のお年寄りのお家にお弁当をお配りしています.ほんのさっき出来上がったところで,皆さん,配達に散って行かれました.包装紙で下のようなお話をさせていただきました.
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寒い日が続きますが、いかがお過ごしですか.
こう寒いと、夜、外へ出て月や星を見ることもないでしょうが、今月と来月は満月が普通より大きく見える「 スーパー・ ムーン」だそうです。今月の満月はもう終わりましたが、来月の満月は一月二日です。季節外れの月見でもしてみましょうか。
お経の中に「 雲を離れた月のように」という言葉があります。雲に隠れていた月でも、一度雲から離れてしまえば明るく輝きます。月の明るさは、さっきまで雲がかかっていたかどうかは関係ありません。
私たちは、ついつい「 過去」にこだわってしまいます。悪いことをした奴がその報いで苦しむのは当然だとか、逆に、自分にはよい経歴がないから、こんな前歴がある自分はどうせダメだ、とか。
しかし、この世界は「 無常」です。「 無常」というのは「 はかなくて悲しいこと」だけではありません。縁によって、いい方にも悪い方にも変わる、変われるということです。若い人はもちろん、歳をとってからでも・・・。
わたしゃ迷いの黒ガラス・・・
カラスが転じて白鷺になる
ご縁をもらいましたよ・・・
(才市さん)
今がどうであろうとも、よい縁に出遇われ、よいお年をお迎えください。
ささやかですが、安楽寺仏教婦人会からお弁当をお届けします。今回も社会福祉協議会のご援助を頂きました。ありがとうございました。 合掌
二〇一七年十二月二十三日
安楽寺仏教婦人会( 安楽寺住職 梅田淳敬 記)
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仏教婦人会の皆さま,お疲れさまでした.
【補足】
才市さんの口あいは: 鈴木大拙編著『妙好人浅原才市集』, ノート2の7番 (用字,改行などを読みやすく改めました).