むつかしく
思えば自力疑いの
心にとられて末は地獄よ
得てみれば
何の造作もない六字
心とられて弥陀の浄土に
(才市, sd-19:054)
六連島《むつれじま》のおかるさんにこんな歌があるそうです.
すまぬ心をすましにかかりゃ
雑修自力とすてらるる
すてて出かけりゃ なお気がすまぬ
思えば有念 思わにゃ無念
どこにお慈悲があるのやら
聞いてみなんせ まことの道を
無理な教えじゃ ないわいな
水に浮いてみろと言われ,盛んにバタバタもがく.「そんなにもがくから,よけいに浮かない」と言われても,やっぱり溺れそうでバタバタする.もがけば違うと言われ,かといって,もがかないと沈んでしまう.どうすりゃいいんだ・・・.でも,一度浮いてしまうと,なぁーんだ,こんなことか,浮くだけなら何ということもない,と拍子抜け・・・.そんな経験はだれでもあると思います.
才市さんの口あいやおかるさんの歌を読んで,そんなことを連想しました.
長い間ご無沙汰しました.何か書こうと思うとなかなか書けないので,今後は才市さんの歌などを,機械的にご紹介したいと思います・・・と,今回も始めたのですが,思っていたより長くなりました.
【補足】
才市, sd-19:054:鈴木大拙編著『妙好人浅原才市集』, ノート19の54番.用字,改行などを読みやすく改めました.
おかるさんの歌:こちらからお借りしました.二つとも抜粋です.
http://www.tees.ne.jp/~tatsuya111/meigensyuu.htm