ありがたや
としが増すほど
よろこびゃ
ますよ
ごおんうれしや
なむあみだぶつ
(才市 『ご恩うれしや』, p.270)
あけましておめでとうございます.本年もよろしくお願いいたします.
さて,上に掲げたのは今年の年賀状に引用した才市さんの口あいです.先日発行した寺報では,これについて,次のようなご法話をご紹介しました.
この世の中には無駄なものなんて一つもない。人間の妄念・分別だけが無駄を作るのです。どんなものだって尊い意味をもって輝いている。そのことを、少しづつでも知らしてもらう。そして真実のものに触れていく。仏様の御名を称えながら、そういう生き方をさせてもらう。一日生きれば「あぁこんな事に気付かして頂いた」。三年生きれば「あぁこんな事に気付かして頂いた」。そんな事がやはりあります。
仏様のお言葉を通して人生の深みに触れ、命の深みに触れて感動する・・・
これは,法然聖人のお言葉,「いけらば念仏の功つもり、 しなば浄土へまいりなん。とてもかくてもこの身には、思いわずらうことぞなきと思いぬれば、死生ともにわずらいなし」について言われたものですが,「としが増すほどよろこびゃます」をこう味わうこともできると思いました.
【補足】
引用したご法話は,こちらの,梯實圓和上の講演録から抜粋・要約したものです.