もう一週間前のことですが,当山仏教婦人会恒例,独居老人給食サービスを行いました.町内の独居,または,老夫婦だけの世帯のお年寄りにお弁当をお届けするもので,このblogでも何度か紹介しました.年に二度(春と年末)だけですが,社会福祉協議会のご援助を頂いて,もう,ずいぶん長く続いています.
当日,私はいなかったのですが,何の支障もなく,仏教婦人会の会員の方と坊守とで,散らし寿司のお弁当を作ってお届けしました.
お弁当の包装紙に次のような文章を付けさせていただきました.
春もたけなわですが,いかがお過ごしでしょうか.お花見には行かれましたか.
この春は,お花見に最適となるはずの日に雨が降り,行きそびれた方も多いのではないでしょうか.でも,花は桜だけではありません.花盛りの季節はまだまだこれからです.機会があればお出掛けになってみてください.花の名所まで行かなくても,道端や,家々の前に咲いている花を探しながら散歩するのも楽しいものです.
とは言うものの,足が痛かったりして,外出はちょっと無理ということも多いと思います.そんなときには,こんな花見もあります.
なむあみだぶは
わしの心に花咲く領解(りょうげ)
花をもろおて 花見する (才市)
信心は,泥のような私の心の中に,阿弥陀さまが咲かせてくださった蓮の花のようなものだというたとえがあります.才市さんはこの口あいで,南無阿弥陀仏というお念仏は私の心に咲いた花だとうたっています.阿弥陀さまからいただいた,お念仏という花で花見をする・・・.
私たちは仏さまにお花をお供えしますが,実は,仏さまの方こそ,私たちにうつくしい花をもたらしてくださるのでした.
才市さんには,「なむあみだぶの花盛り」いう口あいもあります.花を探して出かけるもよし,お念仏の花を喜ぶもよし,どうぞ,それぞれの仕方で,花盛りの季節をお楽しみください.
ささやかですが,安楽寺仏教婦人会からお弁当をお届けします.今回も社会福祉協議会のご援助を頂きました.ありがとうございました. 合掌
二〇一五年四月二十九日
安 楽 寺 仏 教 婦 人 会
( 安楽寺住職 梅田淳敬 記)
【補足】
「わしの心に花咲く領解」は,楠恭編『妙好人才市の歌 全』の一, 第4ノート, 92番(p.176).
「なむあみだぶの花ざかり」は,昨年春の給食サービスに引用した口あいです.
さいちゃ なにがおもしろい
まよいの浮世が おもしろい
法をよろこぶ たねとなる
なむあみだぶの 花ざかり
(『ご恩うれしや』, p.239)