なむあみだぶつ なむあみだぶつ
わしのこころは せかいのたから
なむあみだぶに なるたから
なむあみだぶつ なむあみだぶつ
(『ご恩うれしや』p.91)
この歌を読んで,星野富弘さんの有名な詩を思い出しました.
いのちが一番大切だと思っていたころ
生きるのが苦しかった
いのちより大切なものがあると知った日
生きているのが嬉しかった
いのちが大切なのは言うまでもありません.でも,いのちそのものの大切さを強調すれば強調するほど,空しさがつのってくるような気がします.
「私」が大切であることも言うまでもありません.でも,「私」それ自体が大切だと言えば言うほど,出口のない袋小路に迷い込み,私を見失って苦しんだり,空しさを覚えたりする・・・.
「私」が大切なのは,「私」そのものが尊いのではなく,阿弥陀さまの力によって仏にさせていただく私だからこそ尊い,そう知らされたとき,私が本当に大切に思えるのではないでしょうか.ちょうど,いのちより大切なものがあると知ったときに,いのちが本当に輝くように.