入口小目次> この頁
     口あい一覧  事項索引 
[才市] 暗めとられて なむあみだぶつ
旧ブログ 2014年8月 6日 (水)

わしのこころは くらめのくらめ 
くらめとられて なむあみだぶつ
(楠, 二, p.145)

 私たちのこころは薄暗い闇に閉ざされていています.そんな私たちに明るい光明を与えてくれるのが,阿弥陀仏の働きです.そして,その光に照らされて,私たちの浅ましい姿も明らかになります.そして,お浄土の清らかさに照らされて,この社会のあさましさも分かります.欲にまみれた薄闇の中で見えなくなっている悪を,はっきり悪と照らし出すのが仏様の働きです.

 原発再稼動だの,武器輸出拡大だの,交戦権の拡張だの,最近の日本は,光を失った暗めの中,目先の欲と見栄に引かれて動いているようにしか見えませんが,いかがでしょうか(そうそう,「武器輸出」じゃなくて「防衛装備移転」でしたね.恐れ入り谷の鬼子母神・・・).

【補足】
 楠, 二, p.145: 楠恭編『妙好人才市の歌 全』の二, p.145(二の第5ノート47番)

 「くらめ」:楠では「闇」の字が当てられています.手元の辞書には「暗め:日が暮れて暗くなる時分,夕暮れ」とあります.なお,「クラメが効く」(暗い所でも,ものが見える),「そんなクラメで本を読んでいると目が悪くなるよ」などと言いますので(方言?),“暗いところで見ること,暗い所における目”という意味で「暗目」という字を当ててもいいのでは,とも思いますが・・・.

 朝日新聞3面には,『プロメテウスの火』と題して毎日原発事故の記事が延々と連載され続けていますが,広島原爆の日の今日,1000回になりました.申し訳ないことに,私は熱心な読者ではありませんが,原爆にせよ,原発事故にせよ,物忘れの度が過ぎる中で,この“しつこさ”に敬意を表します.

入口小目次> この頁
     口あい一覧  事項索引