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[才市] わしの くよくよ もやもやに
旧ブログ 2014年3月 5日 (水)

わしのくよくよ もやもやに
六字が入りて ご化導なさる
ご恩うれしや なむあみだぶつ
なむあみだぶつ
(鈴木, p.310)

 もう10年くらい前のことでしょうか.ある闘病記がずいぶん話題になったことがあります.真正面から病と向き合い,最後まで希望を失わずに闘い続ける,その力強い姿勢を賞賛する声がマスコミにあふれました.そんな中で,こんな書評を目にしました.

 確かに,この著者の姿は感動的である.この本によって力付けられる患者も多いだろう.だが,皆が,この著者のように力強く病と向かい合えるわけではない.そんな人が,この本の著者のように強くなければならないと思ったり,「あなたも頑張りなさい」と言われて,頑張れない自分に苦しむことはないだろうか.そんな危惧も感じた.
(要旨:記憶による引用,出典不明)

 確かに,正面から向かい合えと言われたら,正直,苦しい.どうしても,クヨクヨが出てきて,モヤモヤを持て余してしまいます.でも,そういうクヨクヨ・モヤモヤに寄り添ってくださるのが,南無阿弥陀仏なのでした.

いらいらや くよくよのみの 人の世も 名残なつかし 今日の一日
(永尾雄二郎)

【補足】
 鈴木, p.310 :鈴木大拙編著『妙好人浅原才市集』, p.310(ノート19の50番).

 永尾雄二郎:この歌は以前にご紹介しました.そこでは,孫引きで「長井雄二医師の高倉会館でのお話」と書きましたが,これは「井雄二医師」の写し間違いでした(失礼しました).
 さらに,インターネット検索で,同じ話が 「『健康と念仏』長尾雄二郎著から」の話として紹介されている頁を先ほど見つけました.そして,さらに,さらに,「長尾雄二郎」で検索を掛けたら,「永尾雄二郎」ではないかと,google君が教えてくれました.
 永尾雄二郎著『健康と念仏』(東本願寺伝道ブックス (18))という本があるようですので,どうもこれが正解みたいです.インターネットは便利,というより,やっぱり孫引きは危ないなぁ・・・.ですから,この訂正も,本当はこの本を見てからすべきなのでしょうけど.

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