入口小目次> この頁
     口あい一覧  事項索引 
[才市] 才市が心は 六字の内に
旧ブログ 2010年6月27日 (日)

才市が心は どこにおる
才市が心は 娑婆にはおらぬ
才市が心は 六字の内に
ご開山さまも
わしも 六字の内に住むと ゆうておんなさる
ご開山さまも ここが楽しみ
わたくしも ここが楽しみ
あなたも 私も たのしみゃひとつ
ごんうれしや なむあみだぶつ なむあみだぶつ
(楠 二, p.47--48, 第2ノートの75番)

 インターネット上で聞いていいなと思っていた鈴木君代さんのお名前をだしたら,その方とは親しいというコメントをいただきました.また,東井義雄師から引用したら,同じお寺で聴聞しているご同行の中に東井師のご法話を聞いた方がいらっしゃるとも.そんなこんなで,ある生物学者が次のようなことを書いていたのを思い出しました.

 先日,A氏に初めてお目にかかり握手したが,A氏は若い頃,故B先生の教えを受けたという.ところが,B先生が,晩年のチャールズ・ダーウィンを訪問したという記録が残っている.おそらく,握手もしたことだろう.つまり,私は,A氏とB先生を介してダーウィンと握手したことになる.そう考えると,外国の,遠い昔の偉大な人物がずいぶん身近に感じられた.読者諸氏も,何人の人を介するとダーウィンにタッチできるか考えてみられよ.意外と少ないことに驚かれるのではないだろうか.

 私は,中村さんには1人でタッチ,東井師には2人でタッチということになりますね.人と人との縁というのは,結構繋がっているものだと改めて感じました.まぁ,要するに「世間は狭い」ってことですが,そう言ってしまうと身も蓋も無い感じ・・・.
 では,ここで問題:あなたは親鸞聖人に何人を介してタッチできますか?
 答:六字の中で直接タッチ・・・などと書きかけたのですが,そうやって才市さんの歌と‘何人でタッチ’ゲームを無理やり結びつけると,歌の味わいとゲームの面白さと両方を殺してしまうような気がしてきました.
 というわけで,今回は,書き損じの記録と相成りました.才市さんの歌には申し訳ないのですが,いい歌ですので,各自でお味わいください・・・では,あまりになんですので,申し訳に,お軽同行の歌を掲げておきます.

鮎は瀬に住む
小鳥は森に
わたしゃ
六字のうちに住む

 お軽さん,あとは,よろしく・・・.

【補足】
 楠 二, p.47--48, 第2ノートの75番:楠 恭 編『定本 妙好人才市の歌 全』二のpp.47--48.
 お軽さんの歌は,こちらから拝借しました.
 ‘何人でタッチ’の話は,スティーヴン・ジェイ・グールドのエッセイで読んだのですが,どの本か確認していません.また,詳細は覚えていませんので,A氏,B先生というのは,たとえとして私がデッチ上げたものです.

コメント

こんばんは
本文で私のコメントまで紹介していただき
ちょっと恥ずかしいですね。
米沢英雄先生とは直接接点はありませんでした。
東本願寺の販売していた法話のテ-プを聞き
大好きになり、本もたくさん読ませていただきました。
自分のブログに先生の事を書き込んだことがあり
それを検索で探し当て、テ-プを貸して欲しいとメ-ルを
くれた方が福井の本派の坊守さんでした。それから
先生のことで交信が始まり、いまも時々webでお話して
います。息子さんは先生に診察していただいたようです。
薬も先生が天秤ばかりで調合してくれたそうです。
junkさんとも女性住職が引き合わせてくれましたね。
いろんな人たちのご縁で、一億2千万人もいる日本人の
同士がwebとわ云え、親しくお話ができることは
文字通り 有難い ことですね。
コメントを少し
私たちは 生まれる前も 現在ここに居ても
いずれ死んだあとも、六字のうちに居るということですね。
亡くなった方々のはたらきを感じるとき
還相回向は間違いないことを確信しますね。

 コメント,有り難うございます.特に,私が投げてしまった才市さんの歌にコメントを頂き感謝!です.直接お会いになったわけではない米沢先生によるご縁の話,正に還相廻向の味わいです(ひょっとして,米沢先生のお引き合わせがあったとき,先生はご存命だった? でも,コメントでおっしゃられたとおり,どちらでも同じことというのが「六字の内にすむ」ですね).
 今日,宣教会(才市さんが「宣教会は弥陀の会」と歌っている布教団体です)法座で近くのお寺の安居法座にご縁を頂きました.法座の記録の帳面を繰っていると,私たちを引き合わせてくださった女性住職さまのお名前が何度も出てきました(こんなところで噂されているとは,夢にも思っておられないでしょうね ^ ^;)
>薬も先生が天秤ばかりで調合してくれたそうです。
懐かしい光景ですね.子供の頃,かかりつけのお医者さんがそれでした.粉薬を量り(どんな秤かは記憶なし),大きな乳鉢に入れて混ぜた後,たくさん並べた薬包紙に匙で分け,手早く包んでいく,その手際のよさにいつも見とれてました.後,自動包装機(?)を(別の病院で)見たとき,すごい!と感心するとともに,あの技術も失われていくのかと,ちょっと残念に思いました.

入口小目次> この頁
     口あい一覧  事項索引