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[才市] 心に六字の灯りをつけて
旧ブログ 2015年12月30日 (水)

 いよいよ大晦日ですね.いかがお過ごしですか.今年の大晦日はどんな様子でお迎えでしょうか.私は,去年は,無菌室の独房(?)に閉じ込められて,独り,紅白歌合戦を見ていました.今年は,自寺で,家族と一緒に新年を迎えられそうです.

 さて,先日(22日),恒例の「仏婦給食サービス」を行いました.例のごDscf0419とく,仏婦の方がお弁当を作ってくださって,それを町内の一人暮らしのお年寄りにお届けしました.この給食サービスと小学生土曜学校年末タコ焼大会が終わると,いよいよお正月です.

 お弁当の包装紙には,例によって次のような文章を記させていただきました.

 年も押し迫りましたが、いかがお過ごしですか。今年の冬至は二十二日だったそうです。今頃が、一年で一番夜が長い時分ですね。
 今時分、暗い夜道を歩いたりすると、何か不安で淋しく、心もとなくなります。そんなとき、灯りを見るとホッとします。特に、冬、寒くなった時の灯りは、心まで温まるようで本当にうれしいものです。
 仏教のみ教えを灯りに喩えることがよくあります。私の歩む道を明るく照らしてくださるからです。でも、み教えが暖かいからという理由もあるような気がします。

ねんぶつは
P1010223こころに ろくじの あかりをつけて  
これがたのしみ  なむあみだぶつ
(才市)

 才市さんのこの口あいも、「六字の灯り」、つまり、仏様のみ教えで明るくなったという意味ですが、何か暖かさが感じられませんか。
 さらに、もっと別の意味で、仏教のみ教えが灯りに喩えられることもあります。

たったひとつの、ほんの小さな灯火でも、それを使えば百、千の灯をともすことができる。やがて、灯は満ち溢れ・・・    (『唯摩経』)

 灯の火を別のロウソクに分けてあげても、それで自分の灯が暗くなることはありません。それどころか、灯が増えて、回りはますます明るくなります。仏教のみ教えも同じ、というのがこの「無尽灯」の喩えです。
 私が、お念仏をしっかり受け取ることが、また、次の人にお念仏の灯りを分けてあげることになります。どうぞ、明るくて暖かいお念仏を称えながら、良い年をお迎えください。

 ささやかですが、安楽寺仏教婦人会からお弁当をお届けします。今回も社会福祉協議会のご援助を頂きました。ありがとうございました。   合掌

       二〇一五年十二月二十三日
安 楽 寺 仏 教 婦 人 会
 ( 安楽寺住職  梅田淳敬 記)

【補足】
才市さんの歌は,楠恭編『妙好人才市の歌 全』の三, 第10ノート, 41番(p.270)
『維摩経』は,以前も引用させていただいた,ぶんのすけ超訳『維摩経』の「第13話 持世菩薩」からお借りしました.

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